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2019-01-29 18:07:00
ここは麹室。
蔵の中で最も室温湿度、雑菌管理の徹底した聖域って感じの場所です。
左の方が麹担当、右の方がなんと杜氏さんです!!
お二人ともすごく険しい顔の時を激写しちゃいました。
とても真面目な話をしている風ですが、実は……
大間のマグロの初競りが3億だったのがびっくり、的な
余談中の余談の真っ最中(^^;;
やはり関西圏の方たちなので、
「ブリの方が美味いのになぜマグロごときにあんな値段が付くのか」
理解できないそうです。
私はマグロ、カツオの赤身の魚が大好きなので、
こういう時に食文化の違いを強く感じます。
まぁ刺身全般イカでもタコでも何でも好きなんですけれども。
……というわけで
麹の話はこんなところです(^^;;
今年は米の出来が良く、非常に麹を作りやすかったとのことで、
別段苦労話も無く、話すことが無いのが一番苦労してる感じでした。
って流石にこれじゃ終われないので(^^;;
皆さまご存知の通り、製麴は酒造りにおいて非常に重要なパートなんです。
麹は、米を溶かし、酵母の養分となる糖分を作ると同時に、
酒の味を左右する大きな要素の一つでもあるからです。
麹の出来が悪いと、米が溶けない→味も出ない上に糖分も足らず
酵母が死ぬ→うまく発酵できず酒ができない、
という負のスパイラルに陥ります。
なので、麹が順調に仕上がったということは、
今年の槽汲みも美味しく仕上がったことの証明でもあります。
実際今年は例年にも増して良い出来でした。
どれだけ出来が良かったのか、ぜひ皆さまご自身で、召し上がって確認してみて下さい。
「なるほど!」と膝を打って頂ける自信がありますぜᕦ(ò_óˇ)ᕤ
2019-01-29 14:21:00
ここは酒母室です。ちょっと狭いのが書斎っぽくて落ち着く感じ。
このラーメンの出汁を作る寸胴鍋のようなものに酒母が入ってます。
で、さっきから酒母酒母言ってるけど
「酒母って何?」
って思いますよね。
で、さっきから酒母酒母言ってるけど
「酒母って何?」
って思いますよね。
私も昔勉強たんですが、しばらく理解できませんでした。
皆さまの理解の一助になればと思い
あいかわらずざっくりですけど説明しますね。
あいかわらずざっくりですけど説明しますね。
酒母は酛(もと)とも呼ばれてまして、
まさに酒の元となるものです。
前回説明したもろみの原液というイメージをしてみて下さい。
もろみの原液である酒母に米、麹、水を段階的に足して
かさを増して薄めていってもろみにする、ざっくりこんな流れです。
じゃあその酒母はどうやって作るのか。
原料はもろみと同じで、米、麹、水に酵母が入っている、
ドロドロのヨーグルトっぽいものです。
でもそれだけではダメで、良い酒母には条件があります。
元気な酵母がたくさん培養されていることと、
雑菌が全くいないことです。
ではどうやってそんな状態を作るのか。
酒母に乳酸を入れて、乳酸の酸の力で雑菌を駆逐します。
と同時に、麹が分解した糖分で、酵母を増やすわけですね。
これで、雑菌から酵母を守り、
元気な酵母を増やしていくんですよ。
ちなみに、生酛造りだと、
大気中の乳酸菌を取り込んで、
細菌同士の自然淘汰の末、雑菌ゼロの状態になります。
生酛造りって自然の神秘を感じさせる造りですよね。
「あぁ、生酛ね」って簡単に飲んでるけど、
実は壮大なロマンが詰まっています!
というわけで、酒母はこんな感じです。
というわけで、酒母はこんな感じです。
今回は余談でしたが、生酛造り自然淘汰のくだり、
複雑なんですけどほんとうにシステマチックに淘汰が行われて
感動的なんで別枠でちょろっと書こうと思います。
複雑なんですけどほんとうにシステマチックに淘汰が行われて
感動的なんで別枠でちょろっと書こうと思います。
……多分
2019-01-29 02:00:00
実はここは蔵の2階です。床に見えるのはなんとタンクの蓋!
こんな大きいタンクもあるんですよー!
発酵中のタンクに落ちると、発酵時に発生して充満している炭酸ガスで
窒息死してしまうそうですが、
このタンクに落ちたら物理的にも精神的にも死ねそうです(-.-)
窒息死してしまうそうですが、
このタンクに落ちたら物理的にも精神的にも死ねそうです(-.-)
さて、そんな死と隣り合わせの「もろみ」の管理ですが、
その肝は発酵と糖化のバランスを取る作業に尽きます。
その肝は発酵と糖化のバランスを取る作業に尽きます。
麹が米のデンプンを分解して糖分にして(=糖化)、
その糖分を酵母がアルコールと炭酸ガスに分解するんです。
これが一つのタンクで同時に行われるのが日本酒のすごいところで、
世界でも類を見ない技術なんですよ。
まさに酒造りの真骨頂です!!
で、実際どうやってバランスを取るのかというと、
湧きすぎ(=発酵し過ぎ)ず、また糖化の具合もいい塩梅になるように、
少しずつ水を入れたり、品温が高い時は氷を入れたりします。(←発酵熱が
出るので、気温に関わらず品温が上がることがあります)。
少しずつ水を入れたり、品温が高い時は氷を入れたりします。(←発酵熱が
出るので、気温に関わらず品温が上がることがあります)。
品温と過去のデータとにらめっこしながら、
少しづつ、アルコール発酵を進めていきます。
少しづつ、アルコール発酵を進めていきます。
そして、こんなデリケートな作業が28、9日も続くんです。
その後、頃合いを見計らってもろみを搾り、
見慣れたいつもの澄んだお酒になるというわけです。
搾りの日程も今年はタイトだったらしく、
毎日タンク一本ずつという超過密スケジュールとのことでした。
こんなとんでもない苦労のお陰で、
私たちは最高に美味しい新酒を飲むことができるわけなんですね。
何とも贅沢な、恵まれた環境であることを改めて痛感致しました。
……おちょこ片手に(^^;;
2019-01-27 21:20:00
あまり仕込みに使う酒米って見る機会がないと思いますので写真に撮って来ました。
精米歩合50%、半分磨いたの山田錦の写真です。
山田錦は酒米の中でも大きいお米なのに、
50%も磨くとこんなに小さい粒になってしまうんですよ。
まるで白い真珠のようですね。
使うのがもったいないくらい!?
でもなぜこんなに磨くのかご存知ですか?
実は酒米って、米の中心部が一番美味しいお酒になるからなんです。
酒米の中心は丸く白く濁っています。
この中心の白いところは「心白(しんぱく)」といって、
デンプンがまばらなので白く見えます。
デンプンがまばらなので白く見えます。
まばらだと、麹菌が米の中心部まで破精(はぜ)込み、
米が溶けて味がよく出るんですね。
なので、心白が大きいと美味しいお酒になるんです。
米が大きいと心白も大きく、お酒を造りやすいので、
山田錦などの大粒の酒米は他の酒米より人気なんですよ。
その大粒の米を大胆に磨き抜いて仕上がった、
この繊細で華奢な姿をみれば、蔵の人が大切に扱うのも頷けますよね。
その扱いの丁寧ぶりは尋常じゃありません!
恐ろしいことに、日に500キロとかの仕込みがあっても、
10キロずつ洗米して、吸水させるそうです。
恐ろしいことに、日に500キロとかの仕込みがあっても、
10キロずつ洗米して、吸水させるそうです。
同じ仕事を日がな一日何十回も繰り返すそうですよ。
頭の下がる思いです。
酒造りの土台となる原料処理がきっちりできているので、
杜の蔵は美味しいんですね。
ぜひ見習いたいころです_φ(・_・