最近のお知らせ

2018-10-12 00:24:00
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毎年恒例なんで、今年もひやおろし、ばっちり説明しちゃいますね。

「ひやおろし」ってまだちょっと勘違いして記憶されている方がいらっしゃいまして。「ひやおろし」っていうその響きのせいで「冷やして飲まないとダメなんでしょ?」と聞かれることが年に一度は必ずあります。まぁ冷蔵保管してるし、冷やして飲んでも美味しいのでさほど問題はないんですけど…。

でも冷やして飲まないとダメってことは全然なくて、もちろん燗してもより一層美味しく召し上がっていただけるんです!燗酒推しのそば屋として、一応その辺の誤解を解くべく、ざっくりとお話ししたいと思います。
では、よろしくお付き合いくださいませm(_ _)m



日本酒は、造りの段階で2回、「火入れ」と呼ばれる加熱殺菌をします。これは、酒を腐らせる「火落ち菌」を殺して腐造を防ぐのと、酵母、酵素の働きを止め、必要以上の熟成とか変質を防ぐという目的があります。

これによって、酒質を一定に保ち、長期の保存ができるようになります。

この「火入れ」は、春先に新酒ができてタンクで貯蔵する前に1回目、秋口に出荷する時の瓶詰め前に2回目の火入れが行われます。このうち、瓶詰め前の2回目の火入れをせずに出荷されるものが「ひやおろし」と呼ばれるお酒なんですね。

なぜ火を入れずに出荷するのか?と言いますと、それは若々しい新酒をひと夏じっくり熟成させて、程よくカドが取れて味が乗ってきたいわゆる「オイシイとこ」を、蔵での味わいそのまんまで楽しんでもらうためなんです!

火入れをすると変質を防げるのですが、やはり生っぽいフレッシュさは多少なくなります。でも火入れをしないと長期保存は難しい。

そこで、この時期限定で火入れをしないそのままの味わいを楽しんでもらおう!というのがひやおろしというお酒なんです。

火入れをしない=「ひや」で問屋に卸す=「おろす」ので「ひやおろし」というわけです。



2回目の火入れをしないお酒を一般的に「生詰(なまづめ)」と呼びまして、とても簡単にいうと、

生詰の酒」

という身も蓋も味も素っ気もない言い方もできます(^^;;


でもひやおろしはちゃんと味も素っ気もありますのでぜひ飲んでみて下さい!まだ若さを感じさせる渋味や苦味がアクセントで散りばめられつつ、熟成を経た円やかさ、とろりとした甘味、旨味などが渾然一体となっていて、それはそれはオツな味わいですよ。

何しろこの時期しか飲めないんですから今飲むしかないですよね(^^;;どうせ飲むなら秋の味覚「舞茸の天ぷら」辺りと合わせてそば屋で飲むのが、もっと言えばみかあさで飲むのが最強ですよ(´∀`*)よろしくどーぞ