富倉そばってどんな蕎麦?

 みかあさの蕎麦は「富倉そば」というあまり聞き慣れない蕎麦なのですが、

富倉そばって一体なんなんでしょうか?

お客様から

「ここの蕎麦は美味しいんだけどこれって十割?二八?」

「機械打ちじゃないの?」

「何なの?」

などなど多々聞かれる事がございますので簡単に説明しておこうと思います。

                           …簡単ではないか(^^;)

 

 

 

富倉そばは、すぐ北が新潟県という長野県飯山市の富倉地方という集落にひっそりと伝わる昔ながらの手打ちそばです。後継者不足などにより県外不出と言われている富倉そばは、基本的に現地でしか味わう事が出来ず、まさに知る人ぞ知る「幻の蕎麦」なのです。それでも、一部の熱狂的な蕎麦好きの人達の中には、「富倉そばは一度食べたらクセになる」と、わざわざ富倉そばを食べるためだけに、都内から何度も足を運ぶ方もいらっしゃいます。

 

このように根強いファンを持つ富倉そば。

その秘密は何といっても蕎麦のつなぎにあります。

小麦粉は一切使わず、なんと山ゴボウの一種のオヤマボクチという植物の葉でつなぐのです。このつなぎは、オヤマボクチの葉 から葉脈などを取り除き、繊維のみを取り出して作るのですが、こりには大変な手間と時間がかかります。しかも葉っぱの20%程度しかつなぎとして使える繊維がとれないという大変貴重なものです。

 

これをつなぎに使って打つ富倉そばは、オヤマボクチの繊維を生地に均一に行き渡らせるよう丹念に練り込み、薄く薄く伸し広げるようにして打ち上げていきます。いわゆる江戸前の蕎麦の打ち方とは全く異なり、これまたどうしても非効率で手間も時間もかかる打ち方になってしまいます。ですが、このように丹誠込めて打ち上げますと、行き渡った繊維が和紙の楮のような働きをして、そば粉同士をしっかりつないでくれるのです。

 

そのため富倉そばは、つるっとした舌触り、滑らかな のどごし、細打ちでも強いコシがあり、噛むたびにプチプチと弾ける独特の食感で私たちの舌を喜ばせてくれます。先程の蕎麦好きの方の言葉をお借りすれば、「一度食べたらクセになってしまう」大変不思議な魅力を持った蕎麦、それが富倉そばなのです。